SEG — 数えない分節の診断
数えない分節は、面積にも室数にも動線グラフにも影響しないまま、内側の違いを書き留めるための道具である。二種類ある。
area— 空間の内側の一区画。床材が途中から変わる範囲など。親のspaceの下に字下げして書く。seg— 境界の上の一区間。壁材が途中から変わる範囲など。親のboundaryの下に字下げして書く。
SEG の族はこの二つをまとめて持つ。SEG01・SEG02 が area、SEG03〜SEG08 が seg である。
| コード | severity | 対象 | 一文 |
|---|---|---|---|
| SEG01 | error | area | 領域を持たない空間に area は書けません |
| SEG02 | warning | area | area が領域からはみ出しています |
| SEG03 | warning | seg | open 境界の seg は解釈されません |
| SEG04 | error | seg | seg を置ける境界線分がありません |
| SEG05 | error | seg | seg の境界線分が複数あって曖昧です |
| SEG06 | error | seg | seg の幅が境界線分の長さを超えています |
| SEG07 | error | seg | seg の明示位置の軸違い |
| SEG08 | error | seg | seg の明示位置が線分からはみ出します |
seg の配置は開口とまったく同じ規則に従い、SEG04〜SEG08 は OPN04〜OPN08 と一対一に対応する。垂直境界に載せた seg は解釈されず、VRT06 が言う。コードの手に入れ方は診断を読むにある。
以下の誤り例はどれも koyu check --strict で終了コード1になり、そのコードちょうど1件を出す。
SEG01 — 領域を持たない空間に area は書けません
error
grid X 0 3600
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /out exterior
area X1..X2 Y1..Y2 floor:タイル
An area cannot be written on /out, which has no region
原因 — area は室の内側の分節であり、親の領域の一部を指す。親が領域を持たなければ指す先が無い。字下げの掛かる先を間違えて、意図した space の一つ下に落ちている場合が多い — 上の例の area は /L1/a ではなく /out に付いている。
直し方 — area を、領域を持つ space の直下に移す。
SEG02 — area が領域からはみ出しています
warning
grid X 0 3600 7200
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
area X1..X3 Y1..Y2 floor:タイル
The area spills outside the region of /L1/a
原因 — area の矩形が親の領域に収まっていない。area は面積にも室数にもグラフにも影響しないため、エラーではなく警告である。
直し方 — area の通り参照を親の範囲内に収める。
注 — 収まるかどうかは導出された領域で見る。割付の矩形ではなく、線 (line) で切った後の形が母集団である。切り落とした側に置いた床材は通らない。
注 — + で複数矩形を持つ親では、area はいずれか一枚の矩形に収まっていなければならない。二枚にまたがる分節は、二本の area に分ける。
SEG03 — open境界の seg は解釈されません
warning
grid X 0 3600 7200
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /L1/b room X2..X3 Y1..Y2
boundary /L1/a /L1/b type:open
seg w:800 spec:X
A seg on an open boundary (there is no wall) is not interpreted
原因 — seg は壁の一部の仕様を切り替えるものである。open には壁が無いので、切り替える対象が無い。
直し方 — 壁があるなら type:open を外す (既定が wall)。無いなら seg の行を消す。
注 — 開口の OPN03 と違い、この警告が出た seg はそこで打ち切られる。以降の配置の検査 (SEG04〜SEG08) を受けない。
SEG04 — seg を置ける境界線分がありません
error
grid X 0 3600 7200
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /L1/b room X2..X3 Y1..Y2
boundary /L1/a /L1/b t:120
seg w:800 edge:N spec:X
No boundary segment can hold the seg (/L1/a | /L1/b)
原因 — seg の edge: で絞った先に線分が無い。上の例の二室は東西に並ぶので共有辺は E (a側から見て) にあり、N には何も無い。境界そのものに線分が無い場合 (BND04 / BND06 と同時に出る) も同じコードになる。
直し方 — edge: の方角を直す。方角は先に書いた空間の矩形から見た向きで、N=+Y・S=−Y・E=+X・W=−X。線分が一本しかない境界では edge: は不要である。
SEG05 — seg の境界線分が複数あって曖昧です
error
grid X 0 3600 7200
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /L1/b room X2..X3 Y1..Y2
space /out exterior
boundary /L1/a /out t:150
seg w:800 spec:X
boundary /L1/b /out t:150
There is more than one boundary segment; pick an edge with edge:N/E/S/W (/L1/a | /out)
原因 — 外部 (領域を持たない空間) との境界は、部屋の外周のうち他室に接していない残り全部であり、ふつう複数の辺に分かれる。どの辺の話かが決まらない。外壁の seg には必ず edge: が要る。
直し方 — edge: で辺を選ぶ。方角は先に書いた空間 (この例なら /L1/a) の矩形から見て、N=+Y・S=−Y・E=+X・W=−X。
SEG06 — seg の幅が境界線分の長さを超えています
error
grid X 0 3600 7200
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /L1/b room X2..X3 Y1..Y2
boundary /L1/a /L1/b t:120
seg w:5000 spec:X
The seg width 5000 exceeds the boundary segment length 4000
原因 — seg の幅が壁より長い。メッセージが線分の実長を出すので、割付との突き合わせはそこでできる。
直し方 — w を縮める。壁の全長にわたる仕様なら、seg ではなく境界そのものの属性にする。seg は「途中から変わる」ことを書く道具であって、全体を言うためのものではない。
SEG07 — seg の明示位置の軸違い
error
grid X 0 3600
grid Y 0 4000 8000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /L1/b room X1..X2 Y2..Y3
boundary /L1/a /L1/b t:120
seg w:800 at:Y1+2000 spec:X
The seg position Y1+2000 is on the wrong axis: a horizontal segment takes an X grid line
原因 — 通り参照で位置を書くとき、線分に沿った軸の通りでなければ位置にならない。上の例の二室は南北に並ぶので共有辺は東西に走る水平線分であり、その上の位置は X 系の通りで測る。
直し方 — 水平線分 (東西に走る) には at:X…、垂直線分 (南北に走る) には at:Y…。メッセージが言うのは期待する軸であって、書かれた軸ではない。
注 — 斜めの線分には通り参照が使えない。line で引いた斜めの境界の上では、同じ SEG07 が The seg position X2+450 cannot be used on a diagonal segment (write it as a ratio, at:0..1) という本文で出る。比率で書く。
SEG08 — seg の明示位置が線分からはみ出します
error
grid X 0 3600 7200
grid Y 0 4000
level L1 0 h:2400 slab:150
space /L1/a room X1..X2 Y1..Y2
space /L1/b room X2..X3 Y1..Y2
boundary /L1/a /L1/b t:120
seg w:900 at:Y1+200 spec:X
At Y1+200 the seg (width 900) runs off the boundary segment (segment 0-4000mm, center allowed 450-3550mm)
原因 — at が通り参照のときはクランプしない。比率 (at:0.5 など) は線分に収まるよう自動で押し戻されるが、通り参照は「そこに置け」という明示なので、収まらなければ黙って動かさずエラーにする。at は seg の中心を指すので、端から w/2 以上内側でなければならない。
直し方 — メッセージの「中心の許容」の範囲に at を収める。上の例なら at:Y1+450 以上。端に寄せたいだけなら比率で at:0 と書けば、クランプされて端いっぱいに収まる。