同梱の建物
リポジトリには八棟入っている。二室の最小例から、延床141,449㎡の双塔再開発まで、どれも koyu check が緑になる実物である。図が読めれば書けたことになる記法なので、実例は付録ではなく入口である。
八棟はおおむね難度順に並び、前の例の上に積み上がる。各頁は「この例が初めて示すもの」「代表的な抜粋」「投げる価値のある問いと、実際に返ってきた答え」からなる。
規模
| 例 | 原本 | レベル | 空間 | 境界 | 屋内床面積 | 半屋外 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| two-rooms | 26行 / 1ファイル | 1 | 3 | 3 | 32.40㎡ | — |
| office | 110行 / 1ファイル | 3 | 17 | 43 | 419.84㎡ | — |
| house | 89行 / 1ファイル (合成版 102行 / 5ファイル) | 3 | 13 | 31 | 92.75㎡ | 73.24㎡ |
| basement | 86行 / 1ファイル | 4 | 15 | 49 | 1,242.08㎡ | — |
| mansion | 192行 / 1ファイル | 11 | 122 | 332 | 2,366.40㎡ | 162.16㎡ |
| tower | 453行 / 9ファイル | 12 | 178 | 543 | 4,785.92㎡ | 941.16㎡ |
| complex | 646行 / 10ファイル | 22 | 425 | 1,364 | 31,606.24㎡ | — |
| twin | 1,220行 / 11ファイル | 39 | 1,808 | 5,973 | 141,448.56㎡ | 6,534.08㎡ |
空間数と境界数は koyu check が印字する合成後の数、床面積は koyu stats の合計、レベル数は koyu levels の行数である。この表の数字はすべて実際に走らせて得た。
npx tsx src/cli.ts check examples/twin/main.muro
✔ Consistent — 1808 spaces / 5973 boundaries
Structural consistency only — architectural validity is what koyu validate says, separately
大きさは行数に比例しない
延床が4,300倍になっても、原本は47倍にしかならない。two-rooms の 32.40㎡ / 26行 と twin の 141,448.56㎡ / 1,220行を比べればそうなる。complex と tower の間ではもっと極端で、床面積 6.6 倍に対して原本は 1.43 倍である。
理由は記法の圧縮率ではない。複合建築は繰り返しでできているからで、レベルスパン (/B2..L19/) と帯と stack が繰り返しを丸ごと畳む。complex のコアは地下2階から19階までの21レベル分が9行、ホテルの客室は帯13行から78室に展開される。
したがって原本の大きさは建物の大きさではなく設計判断の数に比例する。これは記法の性能ではなく、建築そのものの性質を写している。
LLMのコンテキストに載るかどうかも、そこで決まる。o200k_base で測ると two-rooms が 359トークン、tower の9ファイル合計が 8,574トークン、complex の10ファイル合計が 12,685トークン、twin の11ファイル合計が 26,630トークン。延床31,606㎡の一棟が、どのモデルの文脈にも丸ごと載る。同じ場面を IFC4 / IFCX で書いたときの実測は koyu と IFC の実測比較にある。
走らせる
八棟すべての整合を一度に確かめる。
npm run check:examples
一棟だけを見るなら、まず check、次に問いを投げる。
npx tsx src/cli.ts check examples/office.muro
npx tsx src/cli.ts stats examples/office.muro
npx tsx src/cli.ts doors examples/office.muro /L2/office /out
npx tsx src/cli.ts plan examples/office.muro -l L2 -o out/office-L2.svg
check が緑でも建物が使えるとは限らない。check が言うのは「書かれたものがデータとして矛盾していない」までである。建築的な判定は koyu validate が別に言う — 同梱の八棟はどれも validate も通る。
何から読むか
- 記法をまだ知らない — two-rooms から office、house の順。
- 書きたいものが決まっている — 書きたいものから引くが、機能から例の行へ直接飛ばす。
- 規模に耐えるか知りたい — complex と twin。
- IFC と比べたい — koyu と IFC の実測比較。
段階を追う例
examples/steps/ には、一室から二階建てまでを6段に分けた到達点が入っている。こちらは実例集ではなくチュートリアルの伴走ファイルなので、はじめの一歩から辿るのがよい。